12月から5回連続第三日曜に開催した「岡の里城郭史講座」は今日で無事に終わりました。
去年は仕事と絡めてボランティアガイドさんと連係した、ミュージアムと地域をつなぐ「まるごと博物館めぐり」で旧竹田荘編と城下町竹田編をやりました。しかし、いろいろ入場料の面で調整がややこしいのに加えて内部の調整が不発(苦笑)だったのと、城下町や地域を語るにはまずは岡城跡をきちんと理解していただかねば始まらないと言う観点から、仕事と切り離して岡の里事業実行委員会と言う、ふるさと創生以来の伝統ある?まちおこし事業の一環としてやらせていただきました。
念のため、講師料などはもらっていませんのであしからず。
当初は少ない人数で考えていたものでしたが、だいたい20〜30人規模で参加していただくものまで大きくなりました。広報もフルに活用できたので仕事でやるよりも反響が大きいのはさすが岡の里事業の伝統がなぜる技かな?
基本は、第三日曜日に決めて、来れない人のためにボランティアガイドさんを対象に予備日を設けて平日対応もしました。
日程的には当初の予定と異なって、天候の都合もあり行き当たりばったり形式(笑)になりましたが、講義形式3回と現地見学2回を無事に済むことが出来ました。
わたしが話すことに専念できたのも、場所の提供から事前申し込み、レジュメの印刷、広報、現地での下準備のお手伝いなどなど、みなさんのご助力あってのことです。
講座の内容は、城跡を探訪し、歩き、生きた資料として楽しむには、「縄張り」を知らないといけませんよ。ということ。
これをひたすら解説と実際の遺跡見学を組み合わせながら念仏のように繰り返す内容です。
お城にまつわる話しではなく、お城から何が読み取れるか、わかるかと言う内容を、しっかりじっくり何回でも復唱するような内容にしました。また、単体の岡城跡のウンチクや歴史を語るのではなく全国の城郭との比較検討する尺度としての城郭史と縄張り論のイロハを伝えながら、岡城跡の縄張りがわかり、他のお城との比較が出来る視点を養っていただくことを目指しました。
近場での連続講座ならではの5回分割形式でやりました。
内容は以下の通りです。
第1回 「縄張り」=城のかたち、からみた近世のお城とその時代
2007年12月16日(日曜日)
※岡城をはじめとする近世のお城の成立について、日本列島の城郭史から紹介。
お城のカタチである縄張りと虎口などの概念を解説し、虎口に着目した城跡の見方について説明。
第2回 縄張り、城門(虎口)のプランをみてあるく
2008年 1月20日(日曜日)
※雨天のため、岡城跡を事例に縄張りと虎口の概念についておさらいをして、岡城跡の縄張りを分析することで初期岡藩と中川氏家中の動向がわかることを紹介。
第3回 近世のお城、縄張りをみて歩く① 城門(虎口)のプランをみてあるく
2008年 2月17日(日曜日)
※岡城跡の中心部と御廟所跡(東ノ郭)を見学。桝形虎口による岡城の防御の仕組みを紹介しました。
第4回 近世のお城、縄張りをみて歩く② 石垣・空堀の守りをみてあるく
2008年 3月16日(日曜日)
※岡城跡の西側半分を見学。大手門、近戸門一帯の重臣屋敷を囲んだ岡城の外郭ラインの防御を紹介しました。
第5回 まとめ〜近世のお城から地域をみる〜
2008年 4月20日(日曜日)
※中川土佐屋敷跡の「そうぞうの丘」で開催。お城を地域支配のフォーマットとした豊臣政権の意味と地域に与えたインパクトについて、城郭と石垣技術、建物(御殿など)との関係性、そして城からみた城下町、地域史の視点を説明しました。
後で、岡城跡をみなさんで見学しました。
お城の案内は、ともすればお城と関係ない話しになりやすいもので。歴史学や考古学の方々がしゃべっても城の縄張りそのものの話しはほとんどありません。
ですので、城郭研究者が、実際に城の遺構をもとにどのように防御したのかどのような意図で構築したのかを学術的ベースで縄張り論から解説する講座をすることがう遠でもする必要があると思います。
勉強会形式でレジュメを配って解説し、実際に城跡を探索し、竹薮の中になぜか埋もれている遺構を紹介し、なぜか図化されていない桝形虎口を縄を張って紹介したりとあれこれ手法を尽くして岡城跡を舞台に「城郭史講座」をいろいろ試すことが出来ました。会期中にデザインで相談を受けていた岡城マップ改訂版も出来ましたのでこれも配布。
参加者の中に、前は気にならなかったが、話しを聞いてからは城跡に行くと縄張りに注意しながら見学するようになったという方が居られまして実にうれしいことでした。
本当に城跡を公開し活かしていくには、こうした地道に回数をこなすことで、ボランティアガイドや市民のみなさんにお城をヨソの方々に語っていただくような土壌をつくる教育普及的な作業が大事です。単に広報出してオモシロ講座をしても意味ないんですよ(微笑)。
5回にわたり参加していただいたみなさん、拙い私の話におつきあいいただき本当におつかれさまでした。
話すコツや内容の精査について、よりいいものにしていけるよう見直ししながら努力していきたいと思います。
今後のこうした活動を行う上でとても勉強になりました。
本当に、ありがとうございました!