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2011年8月21日 (日)

第1回九州山岳霊場遺跡研究会に行ってきました。

20日は第1回九州山岳霊場遺跡研究会に参加するために、小郡市に引っ越した九州歴史資料館に行ってきました。
大分からは列車ではかなり不便なので、懇親会まで行く予定ながら車で行きました。
車は資料館に置いて二日市温泉(と言ってもビジネス(ノ_<))に宿をとることに。。。

山岳寺院をはじめとする山岳霊場遺跡の縄張り調査については、滋賀県をフィールドに縄張り研究者である藤岡英礼氏が積極的に活動されており、
これまで『忘れられた霊場をさぐる』報告書が栗東市教委から刊行されています。
寺院跡も城郭跡と同じく土木構築物が残っている場合が多く、事前に広範囲の分布調査において地表面調査による現存遺構の把握と遺構平面図作成が有効となります。
そして、平坦地の配置・直通参道の位置などから伽藍と僧坊の位置づけや寺院勢力の構造を読み解くだけでなく、仏教美術や仏教考古学の成果も重ねるベースマップとしても、
縄張り研究の手法の応用が期待される分野のようです。

ちなみに当の藤岡さんに伺うと、さまざまなノイズから防禦遺構を抽出して図化する城郭跡の縄張り図と違い、
寺院と思われる範囲のすべての平坦地や微地形を拾って作図する必要があるので大変とのこと。まだ遺構評価を試行錯誤している段階だそうです。
加えて、城郭跡と違い寺院跡は古代〜近代まで機能した時代を想定する必要があり、また膨大な先行研究を踏まえないといけないのでこれまた大変とのことです。
一方で、仏教考古学や寺院史研究の方からは、こうした調査については歓迎&期待されているようです。確かに、寺院跡は体系も悉皆調査もないですものね。

一方、九州では、同じく縄張り研究者である岡寺良氏が宝満城のある宝満山を図化したことが契機となったようで、近年、九歴を拠点に中心的な役割を担われています。
そして、九州の山岳寺院遺跡や修験道遺跡の調査・研究事例の集積を図ることなどを目的として、主に福岡県下を中心として今回の研究会の立ち上げとなったそうです。
縄張り調査の可能性が広がる分野でもあり、自分の城郭跡の調査でも関連遺跡として踏まえないといけないものなので、今回参加した次第です。

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10時スタートで、最初は、森弘子氏による講演「九州山岳霊場遺跡研究の現状と課題」です。
九州は早くから山岳霊場遺跡研究が盛んであったこと、但し近年は停滞していたこと、この研究会の立ち上げを機に
研究の活性化と従来の研究の再検証が期待されることを語られていました。
大分県では宇佐風土記の丘資料館以来の六郷満山の調査実績がありますが、研究史を押えることができたのはありがたかったです。

前半は事例報告が4本。首羅山遺跡(久山町)、宝満山遺跡(太宰府市)、正楽遺跡・一滴遺跡(宇美町)の発掘調査の報告と
西油山天福寺跡の現地調査による報告がありました。
後半は研究視点と手法について4本。文献史・美術史・民俗学からの報告があり最後が岡寺氏による「山岳霊場遺跡の縄張り調査・分析」でした。

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写真をみても平面遺構図の有効性が理解できるかと思います。
今後は事例の集積をより進めて行くと共にそれらのデータをどのように読み解いていくかの視点を磨くことが課題となりそうです。

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ちなみにボクが調査した二丈嶽(深江嶽)城も関連して採り上げられていました(^^
縄張り調査の際に北側の尾根筋に広い平坦地が連なっており、武家屋敷跡ではなく植林によるものと考えて縄張り図には入れなかったことがありましたが、
今回の山岳霊場遺跡調査の視点から、おそらく山岳寺院跡の遺構と解釈(山頂が聖地となった時代があるのでは?)という視点と成果が紹介されていました。

これまでも、西側の筑肥国境側を中心に山城跡を調査していると尾根筋に城郭跡とは関係のない平坦地をよくみかけた経験がありましたが、
従来はこの地で盛んだった植林によるものと考えていましたが、山岳寺院の可能性も考えて再検証する必要があると思いました。
秋からこの方面の再調査を進める予定ですが、その際も山岳霊場の山頂に最終段階で山城を築いた国衆勢力と山岳寺院・地域社会との関係を考える上でも有意義な視点でした。

会は1時間オーバーの17時30分に無事?終了。密度の濃い研究会でした。会の後は懇親会と二次会までお邪魔してきました。
皆さん、本当にお世話になりました。涼しくなったら精力的に筑肥方面の城郭跡調査に出る予定です。よろしくおねがいします(私信)

あと、今回ついてきた福岡県を中心に九州山岳霊場遺跡集成の収録された資料集は、後日有償頒布する予定だそうです。乞うご期待。

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