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2011年5月29日 (日)

『軍事分析 戦国の城』

先日、津山ブックセンターで『軍事分析 戦国の城』を仕入れました。
K先生が小石原城を執筆してました。
さっそく、某α-1の1階で弾丸ハンバーグを食いながら読んでました。

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他の執筆者の方々が歴史上の事象から想定するシチュエーションをチョイスし、その舞台の中で城郭跡を論じるのに対して、
ひとり、小石原城の縄張りから境目に展開した黒田氏の思惑+黒田氏家中における当主と城持ち大身家臣との微妙な関係を明らかにする
城館史料学の視点で書く手腕はさすがだなあと感心。あらためて「城郭跡の史料的活用」を実践する意義を再確認した次第です。

城郭跡を史料として扱う場合、史料的限界があることを知り抜いた上で、
遺構から読み解ける要素をうまく抽出し、最大限に研究に活かすセンスは欠かせません。

文献史料などをもとに、有名な戦闘時に機能したとするおあつらえ向きのシチュエーションを設定して解説するのは楽しいです。
ボクも好きです。たぶん書籍も売れるでしょう。
でも、城郭跡を学術的に史料として扱う場合には、ホントにその状況と現存する遺構がイコールなのかを真摯に吟味しないといけません。
現存遺構は最終段階の様相を示すもの、文献史料に出ている間だけ機能していたとは必ずしも限らないという前提から、
ひとつひとつ丹念に現存遺構から言えることを絞り込み、他の事例と重ね合わせながら確からしさを詰めていく地味な作業が欠かせません。
軍事分析は大事です。城郭研究をやる上では軍事の視点がないといけない。
しかし、それだけでは研究にならない、ストイックな史料論が欠かせないことをあらためて確認させてくれる一冊でした。
城館史料学を志すわかものは、なぜ軍事分析の視点だけでは縄張り研究にならないかのアヤをしっかり読み取るように(σ・∀・)σ

もちろん、各事例は楽しく拝読させていただき、大変勉強になりました、念のため。

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