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2011年1月 8日 (土)

『体感・実感!にっぽんの名城』観ました。

8日は部屋の片づけをする予定が風邪がぶり返して寝てました。
ようやく夜になって復調してきました。

というわけで、
歴ーっしゅ!!木曜日に『体感・実感!にっぽんの名城』1回目観ました。
25分があっという間に終わり、とても面白かったです。

1回目は、姫路城。
やっぱり、にっぽんの名城、一般的に流布する「お城=天守」では外すわけにはいきません。
でも、今の姫路城跡は天守は修築で覆屋に隠れて入れません(^^ゞ
「えー、それじゃあ、一般向けお城講座にならないでしょう」
となりますが、姫路城は城門のカタチや曲輪配置、城壁や多聞櫓などから防禦の工夫を知ることでも十分に堪能できますよ、という構成。
まずは、お城の平面構成(縄張り)を楽しむ準備。
精度の良い見取図等を持ちながら、リュックサックとスニーカーとカメラとコンパス持って歩くわけです。
そして、いつもは姫路城コースのお帰り道になる方が本来のメインルートで備前丸まで歩く構成。
予め、曲輪の配置と出入り口(虎口)の形状に注目することの説明をしてから、実際に、菱の門、埋門、ぬの門を通って備前丸へ。
天守付近は工事のため通れないので、ワープして西の丸の現存する長大な多聞櫓で25分。
それらを歩きながら、門の形状やカタチ、曲輪の配置、塁線にあった城壁(狭間)や多聞櫓などを観ながら防禦の仕組みをアレコレ考えての
お城歩きの楽しみ方を紹介するイントロでした。

とあれ、自分の経験でも、一般の方に説明する際には「縄張り」を言葉で説明して理解してもらうのは案外難しい。
去年やった津山市の荒神山城跡や、福岡城跡でも虎口概念を冒頭、口で語る方もなかなか取っ付き部分が得づらいものでした。

たぶん、歴ーっしゅ!!」の美甘子さんも「???」な世界だったかも(笑)
あの辺は、模式図など別画面で紹介しておいたらよかったかも。キモでしたから(^^ゞ
姫路城跡でかいですから2回くらいにわけてもよかったのではと思うところもありますが、追々何とかなるんじゃないかと思います。


自分なりに整理すると、城郭では、守り手がガンガン城壁や空堀を固めて攻め手を遮断したとしても、どうしても自分たちの出入りに城門が必要なわけです。
なので攻め手は下手に犠牲を伴う城壁などよりも、木製の城門前に張り付き城内側からの攻撃を仕寄せで防ぎながら破壊する手法を採ります。
そこで、守り手側にとって、城門前に張り付く攻め手に効果的に迎撃した上で中から押し出して撃退する「出入り口の工夫」が必要となるわけです。
ところが、案外それを実践した勢力は少なくて、出入り口を防禦壁に一体化させることで対応していたようです。
実際に工夫した勢力は次の三つ。
ひとつは、出入り口(虎口)の通路を曲げ、前面に石塁や土塁によるL字の張り出しを造る方法で対処した織田・豊臣氏。
この他、横堀を多用する台地状地形に割拠したことで、横堀の前に緩衝空間(馬出し)を造って対処した武田氏や後北条氏、この3勢力くらいです。
結果的に、武田氏や後北条氏じゃなくて、
織田・豊臣氏が全国を席巻したので、彼らのモデルが近世城郭のスタンダードになりスケールアップして再生産された。
ということで、各地の近世城郭は、彼らのモデルが忠実に反映されておりわかりやすいので、見取図片手にハイキング気分で楽しめる、
織田・豊臣氏が創出した虎口のカタチと曲輪の配置の工夫を理解しながら歩くと、それぞれの防禦の仕組みを満喫できる、
その上で、従来の天守や櫓、多聞櫓・城壁、御殿などの理解がさらに深まる、というわけです。


天守や櫓、多聞櫓・城壁などは、すべからく縄張りと呼ばれる平面構成の上に建っています。
これまでの城郭鑑賞講座などでは、上に建っているものやそこで起きた出来事などを専門家が語り、それを解説したらお城の解説となっていました。
ですから、建物がなければ何もない、城=白亜の天守というイメージを一般向けに植え付け続けてきたわけです。
誤解を怖れず言うと、城郭はたびたびブームになったこともあり、天守や櫓の復元などで「復元考証する専門家」の飯の種になり、
近年は史跡整備や「歴史的景観」など文化財行政の花形となることで文献史学系の先生方にとっても実績作りになるため、
城郭研究に隣接する分野の専門家さんたちが顧問や委員として各地で関わり、
城郭そのもののカタチを二の次にしたまま
建物復元や石垣修復、文献史料偏重の城の歴史、城主譚などから自分たちの専門領域に引っ張り込んで城郭を語っていたわけです。
それらの視点があるとしても、城郭にあるあらゆる構成要素を理解するためには、いの一番に「縄張り」に顕れる防禦の工夫を知ることが大事ですよ、
というのが、「城博士」(^^ゞの千田さんがされる城郭鑑賞講座のキモになると思います。

これからは、城郭そのもののカタチを理解しないで城郭を構成する要素は語れない時代がやってくるし、
これまで「おとなりの専門家さん」たちが言ってきた城郭に関する通説や、単に城史や城主像にひきつけて語るような概説はどんどん塗り替えられます。
その嚆矢として、天下?のNHKを通して一般向けを対象に、城そのもののカタチに着目した城郭鑑賞講座が語られる意義は大きいのですヽ(・∀・)ノ

↓白亜の天守の出入り口も、ほら、曲がってる(^^ゞ

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