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2010年8月29日 (日)

月刊文化財バックナンバー。

文化庁文化財部監修の『月刊文化財』
第一法規株式会社から刊行されているけど、ほとんど文化財行政の機関誌です。
ぎょうせいから刊行されている『文化庁月報』もありますがあちらは芸術文化・博物館も含めて文化庁全体のこと、
こちらは文化財行政オンリー。
外務省の外交フォーラムは仕分けされたようですがこちらはしっかりと根付いています。

第一法規のページでは、
わが国の指定文化財を中心に、概念の変遷や学説の動向、国内外の豊富な事例紹介等文化財に関わるあらゆるテーマを、
各分野の第一人者の解説、多くの写真とともに取り上げる唯一の文化財総合月刊雑誌。

とあります。

だいたい文化財行政の仕事場では購読してたりするものですが、
当方は文化財の現場に居ませんでしたし、国博が近くにあるわけでもなかったのでなかなか入手する機会がなかったのですが、
現場でも近くの書店から注文しているのだろうから、と思って取り寄せできるかと尋ねてみたところ、
OKだったので取り寄せてみました。
1週間ちょっとで到着。ローカルな事務用品系書店は田舎の研究者にとっては本当に便利です。
歴史まちづくり法や伝建、保存修理の観点がイマイチ理解できてなかったのでそれに関連する号を注文。
この辺を足がかりに、不動産と税制に関する知識を融合させていけば実践的な文化財のまちづくり理論やマネジメントを学べることでしょう。
文化財のマネジメントはアートやリノベーションの現場などに比べればまだまだ後手ですので基礎を押えておきたいもの。
あとは平城京遷都と唐招提寺。これは建築史的関心。こちらもしっかり仕込まないと。

日々、コレ勉強です。
問題はどこで活用するかだな(^^ゞ

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2010年8月26日 (木)

『天下人の一級史料』

大西さんのウェブログ「閑人贅言」「三鬼清一郎氏「山本博文著『天下人の一級史料』に接して」を目にしたので、
夕方に大分トキハ(わさだじゃないよ、本店です)に買物に行くついでに山本博文氏の『天下人の一級史料』を聖地ジュンク堂で仕入れてきました。

古文書読解なら!な柏書房から刊行されただけあり、
さっそくの斜め読みでも古文書学や古文書館的世界からの斬り込み方は半端じゃないなあと思いました。
「一級史料」と明言しながらも、原本の写真版を惜しみなく挿入する辺りは、
さすがは、日本で一番「一級史料」に触れる環境の強み!(微笑)。
そんな『一級史料』の殿堂からの、従来の豊臣政権研究を支える基礎史料の解釈についての問題提起や斬り込みは、
相手の方が原文書に触れる機会が多いだけに、これに応戦するのも大変だろうなと思う次第。

『一級史料』に対する切り口などを含めて、最近の豊臣政権研究を把握するいい海図になりそうなので買って満足です。
もっとも、ボクらが扱う「一級史料」は一般の方でもハイキングのついでに触れることの出来る開かれた「一級資料」ですけど、ね(微笑)

2010年8月23日 (月)

旅する学者?と西国路。

週末研究者な生活になりカレンダー通りの休みがとれることもあって、
西国路に関心が高まり頻繁に往来するようになると、現地を往来する移動費がバカならないのは当たり前。
そこで先達にあやかり、夏から津山までは自家用車(EKワゴン)でかっ飛ばすことにしています。
昔、海外ドキュメンタリーであった『旅する学者』ってのをうろ覚えに、旅する学者気取りで。。。
車の後部座席を倒しておいて、MacBook Proの入ったコニシタンかばんに、調査用具や書籍、複写資料を幾つかのフリーボックスに分けて搭載。
だいたいの荷物が入れておけるので、今回の生涯学習講座遠征でも打ち合わせ資料も入れておいて即座に対応できて便利でした。
列車だと移動時間に読書やチェック、原稿書きができますがその分格段に視力が悪くなるのと、
何より城跡や古建築など文化財のある現地を訪れるには鉄道がないところが多いので、旅する学者?は車が必須。
ということで、冬期を除いて車移動で西国往来の日々です。

日中移動すると豊前路がえらいことになるので、できるだけ夜の移動。
だいたい深夜で7時間半、日中で8時間強走れば到着します。
大分(竹田)〜北九州2.5時間、北九州〜山口1時間、山口〜広島2時間、広島〜津山2時間のペース。
山陽道より中国道が難路ですが車が少ないのでその分走りやすいです。
あらためて、豊予海峡大橋があれば四国ルートは5時間弱は固いのを思えば本当に残念です(^^ゞ

おかげで、途中で毛利氏関係の故地に立寄ることが出来ます。
吉田郡山城・吉川元春館跡・三次の比熊山城など江の川沿いから、山陽路の福山・西条・広島界隈などなどなど。
そして、毛利博物館をはじめ各地の博物館・資料館や図書館、山口県立文書館等各種施設も立寄れます。
走りながら、ただいまフリーなボクに岡山・広島・島根・鳥取界隈で城館史料学に関する調査・研究のオファーないかな?と思うくらいに、
中国地方には魅力ある戦国期の国衆・大名から織豊・近世初頭までの城郭跡がたくさんあって実に楽しい。
また、土地勘を知りながら新たな知見を得るのはまさに車旅の楽しみ。
しっかり先行研究を把握し、ポイントとなる城郭跡をこの目で押えて毛利領の城館を知りたいと思う日々です。
そして、古建築・文化財も要点を抑えていきたいと思う次第。

その前に、もちろん北部九州を抑えるのも忘れずに(^^ゞ

写真は左が比熊山城、涼しくなったら登る予定、右は早朝にたどりついた吉川元春館跡正面。
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2010年8月22日 (日)

森家たっぷり美作学講座-森家をめぐる城々-

21日は津山市生涯学習講座『美作学講座-中世山城の世界-』最終回。ボクが1回目を4月にやった連続講座の〆です。
トリを飾るのは、森家語らせたらこの人な、福田久子氏による森可成・長可・忠政にまつわる戦国・織豊期の城郭についてのレクチャー。

毎回140人を超す聴衆に恵まれて好評だった「津山市生涯学習講座」。
冒頭から3人難しいことを話す人が続いた後で、最後はリラックスしながら森家三代と城郭についての内容。
ともすればコネクリ回して専門用語連発で延長戦も辞さない(^^ゞ我々に対して、
簡潔かつ丁寧で写真とイラスト組み合わせで攻めて引き際までしっかりまとめられた福田さんのお話は
年配の人にも優しいレクチャーでした。

それがわかるのも、終わった後の質疑応答の皆さんの勢いの良いこと良いこと。
我々がやるとたいてい消耗して何から言えば良いのやら的雰囲気が漂うのとは違って興味深く拝見してました。
うーむ、実に勉強になるレクチャーでした。
10月の山城サミット2日目に話すことも組み直さないと!と思うくらいにいいヒントをもらいましたです。
あと、森家三代で蓮台城→兼山城→手筒山城→宇佐山城→海津(待)城→津山城→(天下普請の数々)と戦国・織豊期城郭を語ることができるんだなあと再認識しました。
常に織豊政権の最前線で活躍した(おかげでかなりの戦死者が当主家に続出)森家という存在はなかなかに興味深いものです。

終わった後は打ち上げ。この日は某倭城なKさんも津山に居らしており(ボクは姫路に続き3週間ぶりにお会いしました)、
ニフティFSIROの方々も来訪となぜこのようなつながりがという不思議なネットワークを楽しめた一夜になりました。
ボクも昔はFSIROに参加していましたので何とも感慨深い1日でした。あらためてよろしくお願いします(._.)オジギ。

ということで、来年の連休は倭城に遠征することはほぼ内定(^^ゞ。その前に11月に今の「福岡城跡」を存分に楽しむツアーも内定。
その前に津山市での中世山城の祭典でがんばらにゃ(^^ゞ

そして、この講座開催にあたって、津山市・津山市教育委員会、美作大学の皆さんには週末開催にも関わらず大変お世話になりました!
引き続き、お世話になっている分を含めてさらに貢献できるよう務めたいと思います。

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2010年8月17日 (火)

『小西行長-資料で読む戦国史-』

先だって紹介させていただいた、八代市博物館学芸員の鳥津亮二さんが八木書店から刊行された『小西行長-「抹殺」されたキリシタン大名の実像-』
著書を賜りました。ありがとうございます!!

「はじめに」のところで、収蔵庫に埋もれていた天正16年の記年号が入った「小西行長書状」を紹介したエピソードを載せていただき恐縮至極です。
歴史資料館学芸員名義の仕事絡みで書籍の中に実名で出てくるのは、藤木久志氏『城と隠物の戦国誌』とこの本で2冊目になります(^^ゞ。
後者はお城屋さんということですから、純粋な稼業でははじめてですね。
一応、グローバル&ネットワークな視点で仕事をしていた身としては、なかなか接点をつくることに難儀してましたが、
「ちゃんと、やってたゾ」という証拠にもなりますので、ホントにありがたいことです。

それはさておき、いただいた著作は、原典に丁寧にあたりながら小西行長像を構築していく手堅い仕事になっています。
ともすれば「想像の翼」で脚色される小西行長さんですが、その実像を抑えるには丁寧かつ平易な一冊です。
専門書ではありますが小西行長に関連した事項は広い範囲で網羅されている上に、史料解説を平易で敷居を低くすることで理解しやすい入門編ともなっています。
ここで理解してから図録や専論を入手すればよいと思います。
この手の本では5,000円を切るリーズナブルな価格設定となっていますので、興味のある方はぜひ入手して下さい。

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2010年8月16日 (月)

毛利氏との出会い。

7月最終週に高速道路を利用して津山まで帰省。
交通費がさすがに嵩むので試しに1,000円高速の恩恵を受けようとした次第。

金曜深夜に出発して豊前路を通って苅田経由で関門越えして中国道をゆくコースで夜明けには広島まで到達。
ちょうどよい時間だったので仮眠を兼ねて、大朝インター(ホントは千代田が近い)で下りて朝イチで吉川元春館と万徳院を見学。
「戦国の庭、歴史館」開館まで仮眠してから見学。
それだけでは勿体ないので、ひとやま越えて安芸高田市吉田町の毛利氏の郡山城まで寄りました。
夏なのと津山に到着する時間を考えて、郡山城は登り口だけ確認して麓の安芸高田市歴史民俗博物館を見学してきました。

その次の週、世界遺産姫路城を前にして報告させていただいたセミナーでお会いしたのがその
歴史民俗博物館の学芸員Aさん。
これぞ、まさに、運命の出会い(^^ゞ
ということで、郡山城跡麓で発掘された「大通院谷遺跡」報告書について入手させていただきました。
吉田で吉川元春館クラスの発掘調査とも言われている郡山城麓の遺跡とのこと。
前の週に図録は購入したけど、セミナーを考えて見送った報告書について新たな知見まで案内いただき、大変お世話になった次第です。
先だって小都隆氏の著作も入手できたことですので、毛利
のご縁を大事にして、勉強したいと思います。
涼しくなったら郡山城跡へ登るぞ(あの石垣が見たい)と固い決意をした次第。

吉川元春館は過去の報告書が販売していたし、安芸高田市歴史民俗博物館も図録や上記の報告書が販売されています。
広島県(安芸国)なのに、日本海に注ぐ江の川水系に展開した毛利氏と国衆たちの世界を土地勘から理解するには、
安芸高田市や北広島町界隈のゆかりの地に直接行くのが最適です。ぜひお立ち寄りを。

ということで、写真は朝の光まばゆい、朝露に濡れる吉川元春館。
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2010年8月15日 (日)

念願の!それとも今頃!

今さらながらですが、『図説中世城郭事典』を全巻揃えることが出来ました:.゚ヽ(*´∀)ノ゚.:。+゚

大学院時代、1万円を出すのに勇気が必要だったので「西日本だし3巻から仕入れよう」とコツコツ仕入れて2巻目まで入手したものの、
肝心の東日本の1巻目が品切れ。その後は古書店でもウェブ上でも探せない状態が続いていました。

それが久々にチェックしてみると、ウェブ上の『日本の古書店』にも全巻セットで出るようになっているじゃないですか。
と、そこにまるで私に買えといわんばかりに1巻のみのバラ売りが。
しかもほぼ当時の価格、1万円ちょいなり。
あれから10数年、すっかり大人になっていた私は、ポチッと押して注文。
博論前後の「私債費」の清算をしている最中というのに、最後の仕入れとばかりに購入できました。

昨今、大学院時代並みに城館史料学に勤しむとともに、東日本の城館に注力してきた夏のご褒美かも。
もっと城館を勉強せよというありがたい巡り合わせかも知れませんね(^^ゞ

2010年8月 5日 (木)

業務連絡とご案内

拙ウェブログ、セミナー後急激に閲覧数が増えまして(^^ゞ、多数ご来場ありがとうございます。
とは言え、7月になってから原稿や依頼事の締切に追い込み続けています。
近々では盆明けくらいまでヤマで、9月くらいまで余裕がない状態です。

セミナーのことやそこで談論風発で考えたこと、今回準備してきたことなどいろいろ書きたいのですが、しばしお待ち下さいませ。
一部ツイッターでつぶやいたけど、歴史考古学の方法論理解を深めて、城館史料学の立場から歴史学へ斬り込む議論を重ねたいと思うところです。
そして、90年代以来続いてきた「学際的研究」や城郭跡整備の場でどこまで「民間学」出自の城郭研究の成果は反映されてきたか?
これまでの枠組みの再検証も視野に入れつつ、より研究を進めていきたいと考えてみたり。

しばしご猶予ください。

追伸:昨今、城郭研究のホットな話題とあった杉山城の件ですが、今回1年遅れで刊行の『城館史料学』7号にて松岡進氏が「「杉山城問題」追考」を発表しています(刊行が遅れたのは事務局の不手際です)、
本来は2009年7月刊行予定で査読了承のものとして御一読下さい。松岡氏は「椙山之陣以来」の解釈についての議論には深入りしていませんが十分な反証だと思います。
そもそも、この「問題」は、新府城跡などにもみられる遺構と出土遺物の年代観の相違という今後議論を深めるべき考古学的課題と思っている立場としては、
どちらが正しいか(文献史料で裏付けられるか?)的な目線や錦の御旗のごとく「証拠を出せ」的な目線で第三者的判定を受ける筋合いはないと思っているので、
これを機に、「ではあの技巧的な縄張りはどう位置付けられるのか?」という問題意識から、編年研究あるいは空間論から後北条氏系城郭の研究が活性化することを願って止みません。
当日、司会のTさんから揶揄されましたが(^^ゞ、個人的にも関東の城郭跡をもっと観て後北条氏系城郭を考えてみたい気持ちがありますが、何せ遠いのが悩みの種。

もちろん、なぜ城郭遺構の年代観と、遺物(陶磁器)の年代観が合わないかという課題についても、歴史考古学の編年研究に触れつつ理解を深めていきたいと思います。

2010年8月 1日 (日)

世界遺産姫路城の近くで発表してきました@第27回全国城郭研究者セミナー

7月31日、8月1日は、世界遺産、姫路城』の前にある姫路市イーグレ姫路にて第27回全国城郭研究者セミナー
2日目の報告者兼パネラーとして
「西南日本の城郭の横矢掛りから考える — 城郭研究と年代観 —」の報告しました。
城郭研究の老舗セミナーにて報告するのは、2006年第23回以来です。
前回は自分のレベルが追いついてなくてひどいものでしたので、奮起して今回の報告には満を持して準備しました。
また、城郭研究に専念できる環境にもなりこれまでの経験を下敷きにじっくり考えることも出来ました。
おかげで、パネラーとしては自分が伝えたいものやロールプレイはこなせたと思いました。
もっと先行研究や同年代の研究者の動向を把握しないといけないという課題は残りましたが、
ようやくセミナーやシンポというものが何となく認識できたような気がします。

どちらかと言うと「煽り役」になりましたが悪意はありません。
城郭研究が活発になればと思う故です。
第26回大会で質問を立てて提起しようとパッション的には思ったものの、
論点の準備不足故に留まった憾みは幾分か出せたような気がします。

引き続き、有言実行が伴うよう努力したいと思うセミナーになりました。
皆さん、お世話になりました。
そして、
本当ならば、世界遺産級の岡城を
学術研究の土俵に載せることで広くプロパーに周知するために、
全国の城郭研究者が集う伝統あるセミナーを九州初として誘致する予定だった第27回のセミナー。
諸般の事情で果たせなかったわけで、そうした事情を汲んでいただいた
城郭談話会&姫路市の皆さんには本当に感謝いたします。
このご恩に報いることが出来るよう務めたいと思います。

追記:中世城郭研究会のサイトにセミナー写真が出ています。がんばりましたよってこんな感じこんな感じ(^^ゞ

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Foxkeh! フォクすけ!


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