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2010年6月11日 (金)

西から読み解く年代観。

まもなくワールドカップですが、こちらはただいま報告の仕上げと美作の城館と論考で追い込み中(^^ゞ
その合間をぬって、先々週(5月最終週末)は、豊臣・徳川移行期を伝える城郭遺構、伏見城を考える見学検討会に参加。
先週(6月第1週末)は、九重で、建築学会九州支部建築意匠部会での恒例の合宿に顔を出し、藤井恵介氏の濃縮還元な日本建築史レクチャを拝聴。
と実に濃密な日々を送っております。

藤井先生の日本建築史は久々に「日本建築史」のレクチャーを聴いて刺激的でした。太田博太郎『日本建築史序説』についても議論ありの内容で収穫あり。
加えて、帰宅してから古書サイトを探索してみるとなかなか安価で手に入らない『文化財講座日本の建築』全5巻が安価で売っていたので
ようやく仕入れることが出来ると言う奇遇に恵まれたのも収穫。
こちらも、しっかり「建築史料学」と言えるようなものを指向したいと思う次第。

一方、城館史料学の方では夏のセミナーの準備を進めています。
今回は、城郭の年代観について、西南日本(中国〜九州)界隈の城郭跡の事例をもとに城館史料学の方法論を使って組み立ててみようといろいろ調べています。
昨今、東日本から城郭の年代観を問う議論が見かけます。
文献史学の成果を遺構や遺物評価と重ねることで、従来の縄張り研究などの年代観の甘さをつく内容が多くあります。
確かに、縄張り研究者の中には、近年、遺構の年代観について一貫した姿勢がみられない論点を出される方が居られるとしても、
そんな縄張り研究者の論調に対して、問題提起をされている方の他の尺度からの年代観やそれに乗った文献史学からの議論も検証されてしかるべきかと。

そうした学際的な問題関心から、西日本から目線でどういう視点が提示できるのか?を考えてみようと思った次第。

既に西日本の研究成果では、城郭遺構の検証から陶磁器・石垣・瓦といった指標の見直し作業が進められています。
例えば、古唐津の陶磁器編年については縄張り研究による岸嶽城の成果から1580年代説は否定され1600年代へと見直しを求める議論が提出されています。
木島孝之「唐津焼創始時期-1580年代説-を問う〜岸嶽城の縄張り構造の解明を通して〜」
古唐津の初期の編年がズレることは、これまでの古唐津編年に拠ってきた年代観の見直しを迫るものです。
このように、他の編年・年代観についても城郭遺構と絡む場合などから再検証する機会があってよいと思います。
そうした流れに学びながら、城館史料学の方法論をもとに西国から場を求めて、畿内、東海・関東へと進展させたら。と思っています。

西日本は、織豊系縄張り技術と在地系縄張り技術が異なった系譜で発達した状態でぶつかり、前者が後者を席巻するという図式。
畿内・東海・関東とはそういった点で違いがはっきりわかる地域性を持ちます。
それ故に、これまでの議論と異なる角度から読み直しができるのではないだろうかと(^^ゞ。

この魅力あるチャレンジのためなら、これまでの活動を整理し城郭研究に専念する時間を手に入れた価値があったと言うものです。

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