« 上坂&大坂城に登城。 | メイン | 『福岡県の城郭と年代観』を話しました。 »

2010年6月17日 (木)

城郭談話会で準備報告しました。

12日午後は、大坂城を後に梅田経由で高槻へ。
関西で活発な活動をする城郭談話会。会員によるフラットな運営で多くの研究成果をあげています。
以前は森之宮で定例会をしていましたが、近年は高槻市立総合市民交流センターで第2土曜日に定例会をしています。
何度か帰省の際に顔を出していたのですが、今回は夏のセミナー@姫路市を城郭談話会が引き受けることと、
ボクが西日本から1本報告すると言うことで事前準備報告をすることになりました(日本史研究会みたいでしょ(^^ゞ)

関西の芸風?は、シンポやセミナーはしっかりシナリオをこしらえて関係者で事前の段取りを詰めるよりも、
おおよその「目的」を共有した中で、それぞれが当日にフリートークを仕掛けることでライブ感をつくる印象が強くあります。
今回は皆がしゃべりたいということでボクが壇上に挙げられることになったそうなので、
それでは、フロアが仕掛けたろ!と思うような「呼び水」的な報告をしたらよいだろう、と準備をしました。

今回のセミナーのテーマは「横矢掛りから考える」。ミソは、横矢掛り考える、ではなく横矢掛りから考える。ということだそうです。
それなら、西日本をフィールドとする者が、自分の城郭研究の立ち位置を表明した上で、西日本から近年話題?の年代観について報告したらいいと思った次第。
戦国・近世期の九州は、1587年が転換点のひとつとなっています。
それ以前の在地系縄張り技術は防塁型ラインを多用し虎口も発達せず横矢掛りがまったくない。
一方、1587年以降に波及した織豊系縄張り技術による立花山城や豊前黒田領の陣城・支城になって、ようやく横矢掛りがみられるという案配。
これほどガラッと変わる地域は九州くらいのものでしょう。
そして、九州の在地系縄張り技術は1580年代に急速に発達するように、他の地域より10~15年遅れた様相を見せます。
この状況は、全国の動向に比べて、九州が「遅れていた」地域というだけなのかもしれませんが、ホントにそうかな?というのが今回の趣旨。


上記の論旨を考える上で根底に据えるのは、縄張り研究は「現況遺構は最終段階の様子を示す」という立場が基本とい う認識。
たとえ文献史料や考古資料で年代が示されていても、戦国後期や織豊・近世初頭まで使われている可能性は無いのか?と常に意識しながら遺構 の評価を考えるのが縄張り研究の研究史的意義と考えています。
遺構の年代観を、文献史料やそれらに依拠した考古資料の編年観を当てはめるだけなら 研究としては思考停止。
そんな研究をするくらいなら、気の合う仲間と城郭探訪したり堅城談義でも語り合った方がよっぽど楽しい(それも楽しいんで すけども)。
そうではなくて、ヤクザな道?の城郭研究を指向してしまった?なら、他の分野との議論でも、まずは遺構からの解釈を持論の基本に考え る姿勢がないとおかしいはず(^^ゞ
遺構の評価を文献史料からあてはめて説明するだけなら、縄張り図作成できる亜流の史学者(も しくは学際研究のビジュアル担当)でしかないでしょう。
城郭遺構から歴史・考古研究に斬り込み、既存の研究にいい意味での刺激を与える姿勢でこそ、存在意義があるというもの(・ω・)。
上記の「遺構評価の基準」を基本に据えた上で、どこまで遺構の年代が遡れるかを他の資料を勘案しながら 考える。
そんな研究スタイルのはずですので、わざわざ言うまでもないことですが、この際きちんと確認しておこうと思っています。

準 備段階の報告ですが喧々諤々といろいろと意見をいただきました。関西での議論は勉強になるので本当にありがたいことです。
8月1日の報告に向けて、皆さんが「オレに言わせろ」と思うような呼び水となるよう、
今回の意見を参考にしながら、ヘタレと言われないよう準備して組み立てをしっかりしていきたいと思います。
春から城郭研究に専念できる環境になったので、引き続き、北部九州の戦国期城郭や豊後岡城など近世城郭の研究成果から西日本に展開して、
どんどん関西の成果や議論に絡んで食い込んでいけるように城郭談話会などで報告したいと思います。

追伸&私信: 城郭談話会など城郭研究会では会員の持ち寄りでミニ書籍交換会?があります。
Yさんから但馬の西尾さんの図面がたくさん収録された『図説養父市城 郭事典』を、Bさんから『楠葉台場跡』報告書を入手させていただきました。
ありがとうございます。(・ω・)ノ

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.blogcoara.jp/t/trackback/143624/24457411

城郭談話会で準備報告しました。を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

Foxkeh! フォクすけ!


  • Firefox ブラウザ無料ダウンロード
Powered by Six Apart