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2010年1月31日 (日)

学び直し、進行中。

年末から1月まではあれこれ「学び直し」。
2月4日でひと区切りつけて(そこから台湾へ高飛び〜♫)から再び城跡調査再開しますが、
学び直しの過程でいろいろと基本的な面を再確認することができました。

その過程で副産物ではあるのですが、
中世史研究で行われる文献史料及び現地調査による総合調査成果に対して、山城、平地の城郭、居館・屋敷を組み込んだ
「総合資料学」を提案できないかと思い当たりました。
この関係の調査をアレコレ見るにつけて、山城、平地の城郭、居館・屋敷は位置情報としては抑えられてはいるのですが、
それらの形状や築城主体の考察を行い総合調査の中に組み入れるまでは活かされていない印象を受けます。
これは文献史学側が水利や田畑の様子、寺社など民衆の世界に関心が高く、城館などに相対的に関心が低いという理由がないわけではないのですが、
城郭研究をベースとする遺構論の側にとっても、それらの遺構をどのように資料活用できるかを具体的に提示できていないことも理由にあると思います。
それに関連して、近年、平地の城郭や居館・屋敷をどのように捉えるのかという議論が関西の城郭談話会を中心に活発なので、こちらは別の観点からアプローチして検討してみようと思った次第。
この辺をまとめて何回かに話できないかと妄想中です。

「地域資料として城郭・館跡を考える」ということで、去年の夏の裏セミナーの宿題も含めて考えていこうと思っています。
それに行き着いたのも、学び直しの成果のひとつ(^^ゞ
ちょうど1年前に、これまでやってきた縄張り研究の調査成果をまとめるに際して、隣接分野へ手を伸ばすためにといろいろ整理してきました。
足元の城郭研究の整理からはじめて、歴史考古学と日本史研究の基礎知識や関連文献の整理をやってきて、最後に残ったはモノ資料としての古文書の取扱い。
本職は縄張り屋のフィールドワーカーなので、史料の世界にあまり踏み込んでもミイラ取りがミイラになるので、ほどほどに。
近世文書はくずし字がひどいので一筋縄にはどうしようもないが、せめて中世文書ぐらいは簡単には目慣らしておこうと思う次第(^^ゞ

2010年1月12日 (火)

院庄村絵図みてきました。

11日は、M&Mさんに同行して津山市の津山郷土博物館での資料調査に参加してきました。
郷土博物館といっても、
昭和9年に落成した旧津山市庁舎を整備した本格的な市立博物館です。
昭和63年4月に開館したそうです。

越前系の高田藩松平家の忠直→光長の家督を引き継いだ宣冨から続いた津山藩松平家。
藩政史料をたくさん残しており、愛山にあった旧松平家倉庫に保管されており「愛山之印」が蔵書印だったことから「愛山文庫」と呼ばれています。
昭和34年に東京の松平邸にあった分と合わせて津山市に寄贈され、現在はこの郷土博物館に所蔵されています。
組織的に資料整理が進められ、藩政時代の分は「愛山文庫目録」として刊行されています。
元禄11年から廃藩置県まで書き続けられた国元日記など近世史研究者にとっては定点観測するのにもってこいな史料群のようです。
(それにしても岡山藩池田家、鳥取藩池田家、津山藩松平家とこの界隈の殿様はみんな膨大な藩政文書を地元に残されています。すごいものです。)

という、津山郷土博物館に行ってきたのですが、どちらかと言えば中世史研究者ですので今回は別の所蔵史料群から院庄村の絵図について拝見してきました。
絵図自体は院庄構城の発掘調査の現地説明会資料でも引用されているものです。
写真は掲載できませんが、天明2年の絵図で田畑を色分けしており院庄館(現在の作楽神社)や院庄構城があった辺りの近世の様子が
手に取るようにわかるいい絵図でした(サイズも大きくないので取扱いも少しは楽でした)。
現在は姫新線や国道が走るなど変化の激しい地域ですが、おおよその道筋や神社・祠の位置などがわかり収穫多しでした。

まもなく詳細をお知らせできると思いますが、3月上旬に津山市教委のご好意で同行させてもらったメンバーで院庄館と院庄構城について報告会を開く予定です。
場所は津山市内です。私は城郭史の立場から報告する予定です。
美作国に分布する「構」と呼ばれる土塁囲みの平城が分布する地域的特徴から院庄館と構城をみようという内容。。

美作国は中世から織豊期・近世初頭の研究には非常に興味深いフィールド。
何度か通って城郭跡もあり、それぞれ保存会もしっかりしているので、九州で培ったものを持っていって少しはお役に立てればと思っています。
福岡平野方面の「書き直し」と美作国の城郭。筑前と美作から毛利氏領国を挟み撃ちする予定です(^^ゞ

2010年1月 4日 (月)

年末年始に読んだもの、生涯学習な話し。

年末年始は社会科のおさらいをしようといくつか書籍を仕入れてみた。
ひょんなことから、歴史系の家業をしている割には案外「社会科」系がおろそかになっているなと思ったのでまとまった時間に実家で読んでみることにした。
じぶんの専門とする時代はよいのだが、案外、日本史や世界史の他の時代の「基礎的」なことや社会科学的な知識、哲学倫理的な基礎知識が抜けているもんだなと気付いた次第。
さすがに高校時代のような暗記力は抜けてしまっているので、せめて思い出した際に確認できる図書を仕入れておこうというわけだ。

で、日本史。
最近の「歴史ブーム」もあり、いろいろと教科書のリフォームや概説書が出ているけどさすがにイマイチなので買わない。
ジュンク堂に行って、山川出版社の『詳説日本史研究』のペーパーバック版を仕入れてみた。2500円なり。
大学受験に必須とあったがかなりのボリューム(^^ゞ。出版社的には参考書という扱いのようだ。
も一度読むもあったが文字が大きくて一般書みたいなキレイなレイアウトだったので「バツ」。あれなら高校教科書の方がまだよい。

『詳説日本史研究』は教科書のような詰め込み方。他の体系とかは論文調なのに対して、あくまでも教科書調で事項を細かく概説する。
図版もなかなか。先史時代から古代・中世・近世・近現代まで把握でき、これはなかなか満足なものでした。
参考書扱いなので専門書というべきか悩ましいが、とりあえず何かの折に見直す時には足がかりになるものでした。

ついでに世界史。
こちらも
いろいろと教科書のリフォームや概説書が出ているけどさすがにイマイチなので買わなかった。
これも教科書で十分じゃないかと思ってしまう。
書店には見当たらなかったが
『詳説世界史研究』というのがあるみたいなので、何かの折に中身を見てから仕入れるか考えてみよう。
とりあえず今回は保留。→追記:買いました。内容はひたすら詰め込み型なんですけど地図も図版もキレイでかなりウハウハ。

そして、政経・倫理。
これだけ政治や経済や社会問題に注目が集まっているのに、個別専門書は多かれども一般的に概説書が読まれない不思議な分野。
みなさん、歴史もいいけど、政治・経済、哲学倫理の基礎を概説本で読んでから新聞とかみた方がリテラシー的によいと思う次第。
日本史や世界史はどちらか選択でもいいから、市民社会の後継者を育てるには、政治・経済や哲学倫理は必修の方がいいと思う。
そこで、書店でみてみたら、やはり哲学や政治、経済では、専門書が個別化しすぎて見当たらない。
仕方ないので参考書のところを行ってみると。。。
文英堂の『理解しやすい政治・経済』ってのがあった。
いわゆるΣベスト。。をを、懐かしい。数学シリーズではかなりお世話になった。
帯をみると、あの佐藤優氏推薦とある!!(^^ゞ。
確かに開いてみると、基本的なことが背中にかゆいところに届くかのように丁寧に書かれている。
たしかに推薦するだけのことはある。これを読んで某幹事長の豪腕ぶりの矛先もみえてきそうな感じである。
なので、仕入れてみた。1890円なり。
当たり前だが参考書なので、専門的なことよりもどういう仕組みかという概説が淡々と整理されている。
特定の専門領域に踏み込む前に基礎的な仕組みを抑えておくには、とりあえず一般人的に座右の書にしてはよいのかもしれない。
会社的には、一般人にも読んでほしいというメッセージのようだが、さすがに大学受験参考書コーナーには来ないのではないか。。。と思う。

でも、コスト的にもこれはオススメと思う。
ついでに、『理解しやすい倫理』も開いてみて、たぶんソフィーの伝言や知の教科書よりコッチを抑えた方がよいと思った(^^ゞ。ので、購入(^^ゞ。こちらも1890円とリーズナブルなのでオススメかも。
ちなみに政経でも山川出版社は『詳説政治経済研究』なるものを出していた。2500円なり、さすがである。
悩んだけど専門までしないので文英堂で済ませた。

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ということで、これらの書籍を開きながら年越しをしたのでありました。
いやー。なかなか灯台下暗しで面白かったですよ。
歴史系でちょっと物足りない方で論文調はキツイという方は、詳説シリーズはチラチラ読みにはよいと思います。
あと、案外文英堂のΣベストは文系でもあるんだ!!というのは収穫でした。
いずれも専門書コーナーではなく、参考書コーナーの中に置かれているので要注意。この手はもっと売り方考えれば一般書でもイケると思うけどなあ。

ちなみにどちらの出版社のまわしものではないのであしからず。いや、それはダメ、こちらがよいと言うのがあればご教示下さい(._.)オジギ。

とりあえず今回は社会科系でしたが、自分的には、物理や化学、数学系の理系分野も教科書にΣベストの参考書まで抑えてみるとかなり面白いと思っている。
数字や数式、記号で宇宙からミクロの世界まで表現しようと言う人間の試みは、文字で表現しようとする世界と同じくらい、いやそれ以上に面白い。
数式をおいかけたりグラフにしたり。。。これをプログラミングすれば情報科学の世界ですからね。
子ども騙しな「理系離れ」引き留め科学実験イベントより、数字を扱って世界観を語る方がはるかに大事じゃないのかな。


ということで、みなさん。
生涯学習はえらいひとの話を聴く座学よりも、高校生までの学問体系を蛍雪の中「学び直し」しましょう!

2010年1月 3日 (日)

あれこれ・ラボのお仕事。

研究で書いた文章です。城館史料学を中心にこんなことしてます。

■単行本に収録された論考。
1 
中西義昌・岡寺 良『歴史史料としての戦国期城郭』1- 187、2001年、花書院
 地域毎の城郭調査と解説、及び全般的な考察をそれぞれ分担しました。

2「戦国期城郭の縄張構造と大友氏領国」鹿毛敏夫編『戦国大名大友氏と府内』、257-282、2008年、高志書院


3『城郭の縄張り構造と戦国後期の領主権力 —城郭跡の史料的活用を通して—』学位請求論文、2009年


4 福岡県の城郭刊行会編『福岡県の城郭 —戦国城郭を行く—』2009年、銀山書房
 福岡県の城郭について、縄張り図掲載と解説に参加しています。

■雑誌に載せた論考。
1「朝鮮通信使来朝時の都市空間の研究〜延享・宝暦度の鞆町への寄港から〜」
日本建築学会中国・九州支部研究報告、第10号、729-732、1996年


2「小規模山城・丘城の縄張構造にみる小規模在地勢力の様相〜筑前国糟屋郡・席田郡・志摩郡を中心に〜」
愛城研報告、第4号、200-219、1999年


3「豊後直入郡岡城の縄張り構造〜縄張り分析に基づく城郭遺構の史料的活用〜」
日本建築学会九州支部研究報告、第39号、413-416、2000年


4「戦国期城郭にみる大友氏の軍事体制〜縄張り研究に基づく大友氏領国の基礎研究〜」
城館史料学、創刊号、25-66、2003年


5「戦国期城郭にみる戦国期国衆の領国構造〜縄張り研究に基づく戦国期北部九州の基礎的考察〜」
『中世城郭研究』第18号、102-143、2004年


6「縄張り調査と城郭跡の史料的活用〜豊後岡城東ノ郭の縄張り調査を通して〜」
史学論叢、第38号、13-40、2008年


7「豊後岡城と竹田城下の櫓屋敷について—織豊取立大名中川氏と近世城郭・城下に関する考察—」
城館史料学、第7号、2010年 掲載予定

2010年1月 2日 (土)

あれこれ・ラボとはこんなラボ。

あれこれ・ラボとは?
あれこれ・ラボは、「痕跡からひとの営みを探ること」(by CREAMラボスペース)を日々モットーに、

わたしこと管理人さんが、城跡調査を柱とする城館史料学をホームにして、建築史&歴史学&歴史考古学など様々な領域に足を伸ばして研究を日々積み重ねるラボです。
城郭の研究は、単なる城郭の復元考証や城郭解説に留まりません。城郭跡の遺構や関連するモノ資料を歴史研究の資料として活用することで、
歴史学・歴史考古学、歴史地理学、
建築・都市史から土木史、美術工芸史など様々な学問領域を横断する史料学(総合資料学)でもあります。
城郭は中・近世のどんな分野も否応なく絡むことが特徴の施設。 なので、なんでも絡む「あれこれラボ」。
カレンダー通りのプライベートな時間をやりくりしながら、貧乏暇なしで慎ましく城館史料学の研究活動を営んでおります。

あれこれ・ラボは、痕跡から読み解く研究日誌です。ウェブログで丹念に毎日の研究を書いています。

あれこれ・ラボの管理人は?
管理人は大阪府出身、博士(比較社会文化)、専攻は城館史料学。その他、城館考古学・建築史料学などもしてます。

建築学科(建築史)から、文献、考古・地域資料等で状況証拠を固めながら、城郭遺跡の現地調査を基礎に当該期社会を検証する城館史料学を専攻、
北部九州の戦国期城郭の研究で
九州大大学院比較社会文化研究科から学位(比文博甲第145号)をいただきました。
現在は城館史料学を中心に、城館考古学、建築史料学(建築史)などいろんな領域へ方法論を応用・展開しています。
主に近畿以西、中国地方から九州界隈をまわって戦国期・織豊・近世の城跡を調査し研究しています。
城郭研究では、関西の城郭談話会と城館史料学会で活動しています。
この他、建築史関係では日本建築学会、歴史系では大阪歴史学会の会員で籍を置いています。

これまで発表してきた論文・報告は、コチラをごらんください。
この他、九州から岡山方面で「史跡からみる地域学」のレクチャー等に出講してます。今年の秋は別府大学非常勤講師で城館史料学概論します。

もうひとつ、10年間、館の中のお仕事(ハコ芸)で小さな展覧会やレクチャーをあれこれやりました。
学芸職で企画に関わった展覧会は以下の通り。
「没後百年、瀧廉太郎と竹田」(2003)      
  没後百年、瀧廉太郎記念館とのコラボレーション
「佐藤義美と金子みすゞ、詩と童謡の世界」
(2004)  生誕百年、佐藤義美記念館&金子みすゞ記念館等とのコラボレーション
「大分の近代絵画」(2003、2004)       
   大分県立芸術会館のご協力による出張展覧会型企画。
「田能村竹田から明治・大正の南画家まで」(2005)   地元発美術展「文人書画展」のご協力によるコラボレーション
「田能村竹田と竹田荘—文人のすまいと書画—」(2006) 旧宅と書画の展覧会場をリンクさせたエコミュージアム型展覧会
「たけたなおいり歴史の道、文化の道」(2006)    所蔵品と周辺の史跡巡りをリンクさせたまちあるき基地となる所蔵品展
「没後百年、田能村直入」(2007)          没後百年、南画家田能村直入の業績をまとめた展覧会。
「奥豊後とキリシタン」(2008)           竹田直入地域のキリシタン史跡を関係資料をまとめて紹介した歴史展。
「岡藩の画員展」(2009)              田能村竹田と交流した岡藩絵師に照準をあて、彼らの大作「三宅山鹿狩絵巻」を中心に紹介。
「豊後御入国展」(幻の企画)              神戸大学中川家文書を軸に中川家の豊後御入国を検証する予定だった幻の企画
(^^ゞ。

この他、エコミュージアムの一環として館外のアートプログラム「まちとアートの出会うとき」「AAF2009 テラマチあります!」等もやりました。
観光系がらみも経験し、歴史も考古も古美術も展示で扱うめずらしい所で経験値あげることができました。
見ての通りで歴史展から児童文学、美術展までなんでもやりました。
異なるジャンルの館とお仕事出来、いろいろ勉強させてもらいありがたいことでした。
2010年3月末でハコ芸はお役御免になり、平日はカレンダー通りの地籍と台帳を扱う一般事務職(略してコテ屋)。
休日・時間外は、これまで通りに博士(比較社会文化)として城館史料学・城館考古学、及び建築史料学で日々精進で研究活動進めてます。
城館史料学からいろんな領域へ展開していきますので、オファー歓迎です(・ω・)ノ

  P5230071Taikai20102  

2010年1月 1日 (金)

謹賀新年。

あけましておめでとうございます!

本年もかわらぬご愛顧賜りますよう、よろしくおねがいします!

平成庚寅年 元旦。

Foxkeh! フォクすけ!



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