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2008年12月21日 (日)

草苅氏と矢筈城を語るシンポ

P100041420日の土曜日は、津山市加茂町文化センター大ホールで開催した「草苅氏と矢筈城を語るシンポジウム」に参加してきました。朝から市役所前のごんご加茂バスに乗って加茂支所(旧加茂町)まで。。。

戦国期に加茂郷に勢力を伸ばした草苅氏が城主とされる矢筈(髙山)城の県指定史跡に登録されたのを記念して、草苅氏の実像と戦国期加茂郷について討論する内容でした。
今回のパネリストは歴史学中心。肝心の矢筈(髙山)城そのものを扱う城郭史の側からのアプローチはないのが残念でしたが。ボクとYくんがお城屋さんとして参加。そのうち呼ばざるを得ないような成果を出すような活動していきましょうかね(^^ゞ。この会では「美作中世の山城連絡協議会」の方々にもお会いできたことは収穫でした。この地域は城郭の研究は低調でも、中世城館に対する地元の方々のサポートには目を見張るものがありました。活かしたいものです。

城郭史的には、内容には不満があるのはあらかじめわかっていたし、こちらにも準備がないのと、草苅氏研究を郷土史から歴史研究の土俵にもっていくべき、という主催者の意図を争点とすれば、コレはコレで大事なステップ。また、美作北部の山村で全国の研究動向を踏まえた高い水準の歴史系シンポが企画された意義は大きいものがありました。
もっとも、問題はこうした動きが次へつながるか? そのためには、美作地域における研究環境をどう持続させていくかが課題ですね。ローカルで質の高い研究を臨むには、さまざまな分野の研究者が集う「場」が地域には不可欠です。

とは言え、このシンポでは肝心の矢筈城そのものや周辺の遺構との位置付けは何も語られていないことは大きな課題。城郭史の立場からこの地域の戦国期城郭をどのようにとらえるのかを語らずして、少ない文献史料から草苅氏を議論しても平行線をたどるのみです。城郭研究の分野は、岡山県では悉皆調査も進んでいないように中世城館や近世城郭を研究対象とする関心が低い。これは行政も歴史系も考古系の研究者も同じようなもの。それに対して、こうした環境を如何に改善し城郭研究の必要性を示すこと、この地域の中世城館を全国の城郭研究の動向へつなぐ取り組みをやらないといけません。

その日の夜は一泊してみなさんと談論風発。翌日の21日には草苅氏関係の史跡を案内してもらいました。そしてMさんのご厚意で真庭方面の城跡も案内していただきました。ありがとうございます。

機会があれば、岡山県方面の中世城館は腰を据えてやってみたいものです。それだけの魅力のある地域です。

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コメント

わざわざ美作の奥座敷・加茂までお出ましいただいてありがとうございました。シンポ・ブログでも貴重なコメントもいただいて本当にうれしく思っています。久々にゆっくりお話できてうれしかったですよ。大学院時代はよくやってたのにね。またこういう機会を作りたいものです。

ご指摘の点は真摯に受け止めます。ありがとうございます。まだまだいちばん最初の試みでもあるので、すべての視点を平等に土俵に上げることはできません。とにかく、郷土史研究レベルの研究・幻想を駆逐すること、新しい事実を確実な形で提示することが第一ステップです。枠組みを作っていくのはその次です。焦ることなく、次への構想を練りたいところです。地域でこうした試みをするには、周到な準備とそれぞれのステップの意義を吟味することが必要なのです。今回は主催者が集めやすい文献史研究者の報告が中心でしたが、今後、城郭史の視点からのアプローチは歓迎するところですし、むしろ絶対不可欠な問題です。それは明確に自覚しています。文献が少ないがゆえに、今後は城郭史の出番ともいえますね。今回は「近くに人がいない」という点から惜しくも割愛せざるをえませんでしたが、今後、貴方には大活躍していただくつもりです(笑)。城郭そのものと関連史跡の問題も、捨象しているわけではなく、ふれる時間がなかっただけですので、今後、深めていきたいところです。ご教示下さいね。

幸い200名を超える参加者があり、主催者も大感激しているところですので、規模は縮小しますが、継続してこのような報告会は続けていくつもりです。

なにはともあれ、その前に矢筈城にのぼってくださいね(笑)。期待してます。
今回はありがとうございました。うれしく思っていますよ。

桜手毬さん、どうもありがとうございます。
暖かくなれば美作の中世城館は随時登って確認していこうと思っています。

最近、90年前後に提唱された中世資料学について見返しています。
去年の美作中世史研究の提唱にも通じる部分があるだけに、あの学際ブームを経て、あらためて現在の中世資料学を実践するフィールドとして美作は面白いのではないかと思っています。

山城だけでなく、平地居館の「構」など美作の中世史研究はそうした実践の場として面白い展開ができると思いますね。

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