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2008年8月 4日 (月)

夏の城めぐり、その1

セミナーの前後は、開催地周辺の諸城を見学するのがお約束なので、2日と4日はK師匠の車に便乗して三重県内を中心に織豊系城郭を見て回りました。

九州でいると、なかなか現地に行く機会はないですからね。
もちろん、単なる見物がてらの「実見」や「見学会」ではなく、縄張り図を片手に実際に遺構を観察していくのです。
夏とは言え、多少の薮でもはいって観察。
古文書と違って城跡は「閲覧申請」がいらないのがありがたい(^^ゞ

2日間で伊賀上野城、伊勢亀山城・神戸城・津城・宮山城&城山城・田丸城・松坂城、近江水口岡山城をみてきました。
織豊系城郭の縄張りプランにおける外桝形虎口と馬出しを連続させることで城域が構成される様をつぶさに体感する。
まさに百聞は一見に如かず。

松坂城では、R大城郭研究部の若き諸君と遭遇。。。。。すると、コピーした縄張り図をみながら炎天下の談義となります。

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2008年8月 3日 (日)

第25回全国城郭研究者セミナーに参加しました。

夏まつりの伊勢路。
8月2日・3日の第25回全国城郭研究者セミナー@三重大学に参加してきました。
下の写真のように、中近世城郭というワンテーマだけで、全国の大学、公的機関・教育委員会、仕事の傍らフリーランスで研究する200名近い研究者が集う研究集会。各地の報告があり、テーマを設けたシンポがあり、懇親会では全国の研究者と情報交換や議論を交わし、各地の研究会の会誌・研究論集などを扱う書籍交換会が開かれるという密度の濃さが、全国城郭研究者セミナーのキモです。

これだけは、他のどの分野にも負けない充実ぶりがあると思います。
今回のテーマは伊勢中世史研究会がぜひともと名乗りを上げた「中世後期の方形城館と地域」。
まあ、これがうまくいったかはなんともなので割愛して。。。。
ところで、城郭研究において歴史研究の史料として用いることを提起した1980年の村田修三氏のフィールドは伊賀から大和国の中世城館でした。それからほぼ30年近く経って再び伊賀・伊勢の地で方形城館と地域がシンポジウムのテーマとなるのはなかなかな巡り合わせです。

しかしながら、シンポのやり取りを見るにつけて、城郭研究の枠組みにおいて、縄張り研究がこうした200人もの研究者を集める「学問領域」に押し上げた功績は言うまでもないのですけど、果たしてそれに見合う学問領域としての仕組みが築きえているのか甚だこころもとない気分になりました。

第24回でも少し触れましたが、近年は東西で縄張り研究に対して歴史学・考古学サイドからの切り崩しは厳しいものがあります。
さすがに村田修三氏が90年頃に受けたような「研究姿勢」を問うような直接的なものは千田嘉博氏以降の枠組みが固まると共に影を潜めましたが、今は縄張り研究者を「学際的領域」に取り込むかたちで、歴史研究者や考古研究者が新たな視点という声で城郭研究のイニシアティブを採り既存の縄張り研究の成果を換骨奪胎して取り込んでいこうと言う動きに変わりつつあります。

東国のSさんや近畿で積極的な学際領域を構築されているNさんなどはそうした側の代表格とも映ります。これは縄張り研究者を元々の属性である歴史学・考古学の研究者として取り込み、歴史学・考古学の枠組みの中で城郭を扱う研究者に位置付けると共に理論的方向性はコーディネーターよろしく歴史学研究者が担い成果をまとめるという、いわば殿上人と武士団の関係のような役割分担を築こうとしているように映ります。

悩ましいのは、そうした動きに対して年齢を重ねた縄張り研究者が城郭研究者がとるべき方法論的立場を自覚した討論ができていないことにあります。それどころか在野学的スタンスから積み上げた学問領域の枠組みを解体させて机上のアカデミズムに無批判に取り込まれるような動きも見受けられます。縄張り研究者は歴史学者・考古学者の道案内や事例を提供する「北面の武士」ではありません。「城郭遺構を史料として扱う」研究者として、古文書を扱う歴史研究や、なぜか遺物編年にやたらこだわりをみせる考古学研究との間で対等な立場で学術的に斬り結ぶスタンスであるはずです。あえて乱暴な言い方をすると、多くの労力を要する遺構の解釈が紙片の文字面や動く遺物の解釈に引きずられる理由などないのです。

なので、このセミナーでもそうなんですけど、城郭に関わる活発な議論が成されるのは良いとして、なぜに歴史研究で文献史学の領域で活躍されるI先生に「新たな城郭研究の正念場である」とか「新たな城郭研究の方向性が求められている」と総括されにゃならんのかと思ったわけです。逆に日本史研究会などで「城郭の遺構からこうした見解が得られている。君たちも新しい歴史研究へ踏み出す正念場だ」なんて言ったら総スカンでしょ? そうしたコメントを受けるばかりで独自のスタンスで総括もできない縄張り研究者側の役不足と「自律性のなさ」に失望した次第です。
未だにそうした隣接領域からの声に向かうのが御代の村田修三氏では情けない次第。その意味では、年輪を重ねて未だに隣接分野に対して城郭研究のスタンスがブレない村田修三氏の立ち位置には学ぶところが大きいわけですが。

とあれ、村田氏のようなパラダイムを指し示す部分を引き継ぐ役割、オピニオンリーダーが今の縄張り研究者の中に不在なのが大きな課題なのだろうと思った今回のセミナーでした。
と、23回の城郭談話会主催の「自律したテーマ設定」時に空気を読めずすべった人が言うなよという批判をわかりつつ思う次第です。

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2008年8月 2日 (土)

夏まつりは懇親会

初日を終えて、大学生協にて懇親会。
セミナー初日はいろんな方とお会いするのでたくさんの抜刷りが挨拶代わりになります。
なので、この1年がんばって論考をあげてきた人はいろいろとディスカッションに花が咲くのですが、抜刷りがないと寂しい限り。
来年もがんばって論考をつくろうと思う次第。

初日から書籍交換会でいろんな研究論集を物色する。
関東・関西・愛知方面の方々を中心に城郭に関連した論集が並ぶ。

初日の懇親会はあれこれ情報交換やディスカッション。
様々なジャンルの方が来るとは言え、テーマが城郭でしぼられているのでかなり密度の濃い話しができる場です。

その中では、あれこれ次のプロジェクトを話したりします。今回はミッションがあるので打合せっぽいことも。。。
ディスカッションの中から、涼しくなってからの調査計画のヒントもいただくこともしばしば。
有意義な話しができました、はい。

2008年8月 1日 (金)

伊賀上野

2時間だけ寝て、早朝津山駅から出発。7時半に兵庫県某所でたぬき旅ツアーに合流。
師匠とTさんに導かれながら、一路、伊賀上野城へ行く。

『藤堂高虎史料集』買いました。
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Foxkeh! フォクすけ!


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