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2007年8月 6日 (月)

第24回全国城郭研究者セミナー@千葉

P1100441 8月3日〜5日で千葉大学で開催された『第24回全国城郭研究者セミナー』に出かけてきました。
ウサギ台風のおかげで、ゆっくり寝台のはずが乗り継ぎ乗り継ぎで出かけるのに往生しましたので千葉ではヘロヘロでした。

前日に乗り込んだものの「御茶屋御殿跡」見学ツアーしそびれて何しに来たのかわからない状態(つД`)。仕方ないので、初日の各地の調査・研究事例の合間をぬって出かけてきました。
そのせいでつかれてしまい、懇親会は何となく受け身な感じで流してしまいました(-ι- )。

全国の城郭研究者が集う夏祭りなんだからもっと気合入れて懇親会出ればよかったかな?と思いましたがさすがに気力が続かなかった模様。この辺はちょっと後悔してますが堅実にセミナー参加をこなしたのでヨシとします。
帰りの寝台富士では18時に乗ったら最後、翌朝8時半まで爆睡してましたしねぇ。

今回のテーマは「海城」。。。
正直、今時「海城」するんですかという印象があったシンポですが、トータルで縄張り論から「海城」と呼ばれるものを吟味しようという意味では発表はともかく、「なわばり屋」さんから「海城というカテゴリーは意味がない」と言えた意義のあったものと感じました。

わたしは知らなかったのですが、海賊城が海城として学界に評価を得たのは網野善彦さんのおかげだそうで。
海関などを提起し、海運や海の民をどうとらえるのかという問題提起の意味があったそうです。てなことだから、海賊衆や瀬戸内海地域史を扱っていた山内譲さんに平凡社から出版することを勧めたそうで、山内さんの著書『海賊と海城』が大きな影響を与えた様子。

その一方で、実際の「城跡」から海城と呼べる特徴があるのかどうかという点では、どうも海城と分類する特徴を見出せないというのが体勢であることを確認できた(主催者が意図したかは別として)のが今回の成果かな?

発表・パネラーは、千葉城郭研究会の柴田龍司氏「海城の様相と変遷」、愛媛県教委の日和佐宣正氏「瀬戸内海の海城—伊予の「海城」を中心に—」そして高知大学の市村高男氏の「『海城』論と城郭史研究」の3本。

柴田発表は概論っぽくて、もっと江戸湾と海城という攻めを期待したのですけど通史的概論に終始した感がありました。日和佐発表は海城探しを経て、これまで海城ありきで考えてきた枠組みを外して、海洋領主と瀬戸内海地域のあり方を城跡を含む遺構から吟味していく段階という現状がわかって興味深く拝見しました。いずれも明確な「海城」イメージの再定義や点検を意識して、直接海城の事例を通して概念を強く定義するという感じではありませんでした。
市村発表は、その再定義や再点検の方向を歴史学を軸とする「学際的分野」に目を向けようという感じでした。討論でもいつも常連で参加されている会場の藤木久志さんとの「ボケ」と「ツッコミ」なやりとりからもその辺の静かな「意気込み」が伝わってきました。

個人的には、学際的領域というのは、歴史学者が、掘り屋さんや縄張り屋さんといった事例を集めるのは得意だがロジックの足りない人たちを、自分たちが理論的指導で被官化する場という認識がありますので、簡単に乗るのはどうかな?と思いますけど、そうした「問いかけ」に対して遺構論の立場から違う歴史像をもって対峙する努力が掘り屋さんや縄張り屋さんに必要なのですけどね。

もちろん、市村さんや藤木さんがおっしゃる海での交通や流通の問題、海の民をどう捉えるかという問題はあります。それに対して、海と海に近接した山城・丘城などとの関係性を問う中で城郭研究者はさまざまなアプローチを試みるべきだろうと思えてきます。
だとすると、今回のテーマは「海城」ではなくて、「海城を見直す—城郭からみた海の様相—」という議論の立て方が企画側に求められたということかもしれません。

Foxkeh! フォクすけ!


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