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2007年6月10日 (日)

岡山城を訪れる&縄張評価と城跡整備についての雑感。

結婚一周年を記念して倉敷に行ったのですが、その途中で岡山城を見学してきました。

岡山城は、織豊・近世城郭の石垣形式を一挙にみることのできる「石垣ミュージアム」
天守付近の字喜多時代の遺構から、小早川・池田まで野面積、布目、打込みハギ・切込みハギなど多種多様な石垣の形状を何周もぐるぐる回りながら見学。そして写真撮影。


P1100099_2P1100021 建造物は戦災で連合軍(米軍)の空襲で焼けてしまいました。天守内に書院式の部屋があったのを写真で知り実に残念な気分になりました。戦争で文化財が焼けてしまうのはなんとも残念なことです(と言っても、城は要塞そのものですから戦争がなければこれもなかったわけで。。。実に難しい(´〜`))。
とは言え、これらの失われた遺産を如何に復旧させるのかは国内だけでなくユネスコに訴えないといけませんね。復元が必ずしもですけど。
(そうそう、変形平面に天守をこしらえた特徴的な岡山城天守のペーパークラフトが販売されています。)
それでも城内には唯一のこる当時の建物、月見櫓があります。
とふりむけば‥‥すみっこでひっそりと置かれています、月見櫓(つД`)。
たいした説明板もないので、もっと目立たせてあげてください。。。

一方、岡山城中心部の縄張プランは、古風で単郭的な大味な主郭部から下ノ段を経て二方向に門を持つ感じ。主郭部の裏からもうひとつ門があって、字喜多・小早川時代までのプランだと若干、豊臣大坂城や郡山城テイストな感もあるのですけど、やっぱり工夫?が少なくよそと比べるとあんまり面白みがないなぁと。。。

でも岡山城の魅力を考えれば、字喜多秀家時代の豊臣政権梃入れの基本的な縄張プランは主郭部を中心に読むことが可能ですし、それから内部に御殿と藩庁を建てるスペースをとるために拡張していく、内桝形虎口を整備していくさまは、発掘成果を縄張評価を結びつけることで岡山城の資料的価値を高めてくれます。それに従来から有名だった石垣を追うだけで16世紀末から17世紀に至る石垣技術の変化を追える種類の豊富さを合わせて、岡山城の史跡の意味付けがより重みを増してきます。


P1100005ここは以前の織豊城郭セミナーで訪れた場所ですが、その時には岡山市教育委員会が本丸下の段を発掘整備、石垣の積み直し作業を行っている最中でした。
今回訪れると、池田時代の現在の下の段の下に出土した字喜多時代の石垣部分が観れるように階段で降りる展示コーナーができていました。それと下の段には池田時代の藩庁の間取り図が地面にタイル貼りで整備されていました。
うーん、わかりやすい??

字喜多時代の石垣展示コーナーは確かに観れて面白いのですけど、これが縄張でどの辺りの位置になっていて当時の塁線ではどういった縄張プランが意図されていたのか?などといった解釈があるとよいです。せっかくの遺構の位置づけを説明することなくあれば、見学者はただ石垣があることを確認するに過ぎません。お約束の検出面の断面図はあっても縄張評価がないのが残念でした。

岡山市教委の整備は全国的にレベルが高く考古学的メスがはいって重要な成果とされていますが、その優秀な岡山県の岡山城整備においても、縄張を踏まえた遺構の説明などの城跡整備に至っていないのがなんとも頭の痛いことです。
合わせて、豊富な種類の石垣の案内解説もあるとなおさらいいんですけど、お願いしたいところです。せっかく税金をかけて整備したのに魅力的な岡山城を説明するのに画竜点睛を欠く様子がなんとももどかしい。。。

ところで、日頃、身近な岡城整備で縄張研究を理解できない城跡の整備担当者による縄張評価の伴わない城跡整備の無知ゆえの迷走を間近にみているのですけど(竹田市に大規模な整備する予算がないのがせめてもの救い)、今回の岡山城訪問でも縄張評価の伴わない城跡整備が、城跡の性格づけを説明できていないかをあらためて痛感した次第。
全国的に縄張調査の成果を組合せた城跡整備って本当にないですね。。。

「城跡調査は縄張調査だけでは不十分である」とよく考古学サイドや歴史学サイドから言われますが、
「縄張評価の伴わない城跡整備は、いくら精緻にやったとしても城跡を語ったことにはならない。」

と「縄張調査のない城跡調査は不十分である」という立場の縄張屋サイドから言ってもいいよね(・ω・)ノ
古墳で言うなら、前方後円墳といった形状の説明をせずに出土遺物や土盛りだけの解説をするようなものですからね。縄張と言うベースマップを軸とした学際的位置づけと、縄張評価の伴う城跡整備の推進を図らねばと思いをあらたにしましたです。
とりあえず、岡城に立て籠る在地土豪の誅伐からですかね(´〜`)。

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