« 2006年12月 | メイン | 2007年2月 »

2007年1月21日 (日)

観光地と演習場〜日出生台と由布院〜

P1020765 大分県玖珠町・九重町・湯布院町(現由布市)にまたがる日出生台演習場は、戦後米軍さんが接収していた演習場。現在沖縄駐留米軍訓練の本土移転により演習が行われています。
で、反戦平和を訴える以上にわかりやすい構図をご案内。

日出生台の高原は、由布岳から続く高原地帯。それ故に帝政時代から演習場。で、玖珠町側からみて反対側の日出生台の東麓にあるのが、朝ドラの風のハルカで自然豊かな観光地として紹介された由布院という図式は案外知られていない。

由布院ってローハスで田園でのどかな観光地??
とんでもない!
観光客で賑わう駅前通りの突き当たりには自衛隊の駐屯地が鎮座しています。そこから北西に登っていくと日出生台。観光地に隣接して駐屯しているのが由布院の実像
実弾射撃で野山にたくさんの武器の廃棄物が散らばる(重金属汚染とか大丈夫ですかね?)日出生台ですが、その下方に位置する由布院の自然は案外汚染されているのかもしれません。

平時の観光地の裏には戦時体制。
そんなことも知らずにのどかにエコなお食事を楽しむ姿こそ、日本国の現実ということに気づいてほしい。美しい日本の野山を返してほしい、ということです。由布院を美しい自然には基地や駐屯地は似合わない。

ちなみに久住高原もあわや演習地で接収されかけました。対岸の火事とは言えないのです。

2007年1月12日 (金)

京都アートツアー〜三条通あれこれ〜

P1040080P1060646 博物館を観た後は、市バスで河原町三条へ。
河原町三条で京都特派員と待ち合わせて、河原町〜三条通界隈のサブカル名所とオシャレなアートカフェをいくつか案内してもらいました。そのひとつneutronで食事を楽しみました。

三条通は三条大橋から河原町通から烏丸通辺りまでがレトロな近代建築が並んでいて、その中は改装されてブティックやお店、カフェなどが並んでいるオシャレな通りとなっている。20年前から三条通にあるタンタンショップははずせない。去年に続きカレンダーを買いましたさ。

案内してもらったneutronは、烏丸通を越えたところにある高い天井とギャラリー(舞台みたいだったけど)、そしてオシャレなアート系カフェが楽しめるお店でした。アートを紹介しそこに集まるアーティストをネットワークを持たせそして食事を用意する。そんな複合的な営業形態。こんなのが九州にないのが頭痛の種。
そこで耽美について語る語る語る(笑)

P1060642三条通は烏丸から河原町まではレトロな近代建築が残されてお店やカフェになっている一方で、かつて京阪京津線が走っていた三条京阪から東山界隈では高齢者の住んでた家屋や町家が解体され小規模マンションが建て替わる風景。。。

前近代以来の流れを受ける和風木造建築は「良きもの」としてもオシャレでなく世代交代と共に経済的にはマンション的建造物にリプレイスされる一方で、近代以後のレトロな煉瓦調建築はオシャレであり「良きもの」として経済的にペイできるコンテンツとして残される。その中で演出されるのは近代和風テイストな内装世界。これを和風と思う人たち。。。というなんとも倒錯した世界にある京都でした。

京都アートツアー〜近代以前と以後をめぐる〜

P1060641 京都駅前で、京都市バスの500円チケットを買って岡崎公園まで。
岡崎公園の京都国立近代美術館の「揺らぐ近代〜日本画と洋画のはざまに〜」は明治からの日本画と洋画の悩ましい歴史を読み解く地味ながら意欲的企画。東近美&東京藝大と京近美の企画。もうひとつは七条三十三間堂前の京都国立博物館の「京都御所障壁画」。結果として前者で思いっきり時間をとってしまったのだけど、後者が夜間開館してたので、無事にハシゴできました(笑)

京都を旅するなら、市バスは欠かせません。けど京都は平たく碁盤の目なのでけっこうスイスイ歩けてしまいます。

二条と三条の間に位置する琵琶湖疏水前にある京都国立近代美術館での「揺らぐ近代」は狩野芳崖や高橋由一ら明治初期 の作品から戦前までの日本画と洋画の間の関連性について並べたもの。狩野芳崖の《悲母観音》などの日本美術史の明治辺りに出てきそうな「名画」を観まし た。維新後の新たな技術を吸収する彼らの背後にみえるのは維新で崩壊した公武のお抱え画師と町絵師の伝統。権威が失われ一気に無秩序かつ渾沌とした中での 模索が、現代の我々の眼にはキッチュな新鮮さとなって映る皮肉。
本当にお腹いっぱいになるくらいに意欲的な作品群。でも、近世絵画の系譜が崩壊し た後に、その残滓さえも亡くなった後に出てくる官製教育を受けた世代による芸術が形作られた後では、日本画・洋画といった作品群がなんと魅力のない味気な いものに映ったのは以外でした。いい絵だけど「つまんない」と思えてしまう自分に驚き。

P1060644岡崎の琵琶湖疏水前から東山通りを下ること20分で、七条・三十三間堂の京都国立博物館であるのが、狩野芳崖や高橋由一たちからほんの30年程前の安政年間に、京都画壇の御用絵師・町絵師たちが描いた京都御所障壁画の展覧会。こちらは佐々木丞平館長直々の展覧会企画。
会場いっぱいに並ぶ狩野派・土佐派から円山四条派、町絵師の系譜までが一同に並ぶ近世社会に至るまで積み立ててきた伝統的絵画手法・技術の蓄積、ヘリテージが生み出す和漢混在の絵画世界。それはそれはスペクタクル!
こちらの方がワクワクさせてくれたのは何故なんだろう?失われたものの大きさが魅力として映ったのだろうか?

安政から明治維新までたった10数年。カタストロフが目前に迫っていた時代が封印された近世絵画の残照。本来「正統な日本美術史」の系譜となるはずの豊かなイメージの世界。
しかし、それは京都御所の建造物から離れた、近代国家のシンボル的な欧風(レトロ)建築の京博が会場。そこで近代国家以前の絵画で彩られた空間を再帰的に捉える体験は、なんとも収穫ある内容でした。

部屋の内装を要求されるテーマに沿って部屋の雰囲気・演出するために描くのはまさに「内 装業者」です。画家である前に技術者なんですよね。実用であり必要であり部屋の使い勝手と共にあわさって上手い画師が観るもの・利用する者に美しさを与え てくれるわけです。実用の美というと工芸品に注目されるばかりですが近世までの美術は絵画も全てが「実用の美」なんだってことをあらためて実感。
となると。。。近代以後の絵画って日本画だろうが洋画だろうが、室内装飾的な絵画の要求から切り離され職人的様相からも切り離された「画家」像を求めることを求められる存在。
部屋を装飾するわけでもなく何の役に立つわけでもなく。。。なんともわからない官製の「美」、後にはインテリ層の求める美の概念を追究することにひたすらまい進したというのが「画家」の姿。なんともおかしさと哀しさを以て訴えてくる気がする。

両館が意図したわけでもないだろうけど、近代以前・以後をハシゴする二つの展覧会が対比するものは、おそろしく深淵で d(>_< )Good!!な企画でした。

ところで、現在の京都御所の広い敷地の内、1/3が御所と大極殿だったそうで。それ以外は宮家と公家の邸宅が密集していた公家街だったことは、今回はじめて知りました。
天皇御所以外の五摂家など上流公家の邸宅は明治維新と共に解体されて、今の「清澄」な御所に書き換えられたという事実に驚愕する次第。
逆に江戸は、将軍徳川家の御殿をはじめとする幕府の建物が、天皇の「奠都」で解体された。
つ まり、明治維新というのは、公家邸宅・将軍邸宅などの近世上流文化の財産を、「復古」という名で破壊しその後にキッチュな近代日本をあつらえた破壊的革命 行為だったことに戦慄を覚える次第。それを実行した下級公家と薩長土肥の下級藩士たちの品性は今日の霞ヶ関官僚にまでつながる。。。わけだ。

それにしても、清朝皇帝の遺産を「故宮」として遺した中華文明に対する、我が国文化の何と軽いこと。公家も武家の文化遺産も遺されていない哀しさ。日本国内で「伝統」という言葉が何と軽いかを復古を標榜した明治維新の「国なおし」が証明するという歴史の皮肉。

京都アートツアー〜京都駅に降りる〜

週末は、関西へ帰省。岸和田での1617会例会に参加するのが目的。朝からの例会だったので前日から関西入りして京都での展覧会を拝もうと考えました。

P1060384 それで、12日は早朝6時に竹田から福岡へ出発。車を置いてから博多駅からひかりレールスターで新大阪へ。
のぞみでもいいんだけれども、ひかりレールスターの指定席にはオフィスシートがあるので、そこを抑えて3時間PowerBookで原稿書き(なーんて)
ドイツ鉄道の超特急は全ての座席にコンセントがついてて、みんなノートブックでいろいろ遊んでいるというのに、我が国の新幹線には壁にしかないのはどういうことでしょう?ドイツ旅行の際には重宝したものですが、せっかくの電車なんですから2列指定のレールスターならもっと増やして欲しいものです。
指定席の前後にしかないオフィスシートを確保できたのでやれやれですが、何とかならないものでしょうか。
PowerBookは机に載せると思いっきり揺れますが、膝にのせて打ちこめばけっこう使えます。


ひかりレールスターは新大阪止まりですけど、特急代がかさむので新大阪で在来線に降りて新快速で京都に13時15分に到着。6時間以上の旅で上洛できるのは便利なんですけど、できれば寝台で起きたら7時に関西、帰ったら7時に大分ってのが楽でよい。朝イチで出ても昼前とかなるのは案外しんどいですから。

P1060640さて、現在の京都駅はすばらしい建築家、原広司氏設計の建物です。大きな階段と吹き抜けコンコースが印象的な作品です。
外観やコンセプトはどうぞご自由に。。とは思うのだけど、面白いのはまるで戦艦ポチョムキンのような荒技が出来そうな広くて大きな階段(お上りさんが不謹慎?な目的で見上げたりしてます)と巨大吹き抜け空間のコンコースに反比例するように、おそろしく狭いトイレしか用意されてないのがこの建築の醍醐味。

きっと、建築家先生は雲の上で外観デザインばっかり考えていて「一般ユーザー」的使い勝手なんてどうでもいいような暮らしをされていることがよくわかる逸品です。原先生だけでなくたいていの建築家先生はハードワークと徹夜な方々なので、普通なライフスタイルには疎いのではないでしょうかしら。。。
設計費でデザインは意識しますが、駅とは何か?どういった人たちが集まり利用するのか?といった部分は依頼するJR側の仕事と思っているのかスルーする傾向があります。でも、せめてその数パーセントでよいから、トイレという空間の意味を噛みしめて衛生設備にまわしてもらえればよかったのですけどね。

そんなことを思いながら、京都国立近代美術館のある岡崎公園を目指します。ホントなら三条京阪か阪急河原町で降りるのが便利なんですけどね。

Foxkeh! フォクすけ!


  • Firefox ブラウザ無料ダウンロード
Powered by Six Apart