« 【大分・芸館】宇治山哲平回顧展に行く | メイン | WM2006ドイツの旅〜10日間独逸のあれこれ〜 »

2006年6月20日 (火)

【アジ美】ベトナム近代絵画展〜花と銃〜

Ajibi1_1 ドイツへ行く前に、博多で宿泊。
夕方に福岡アジア美術館(アジ美)で開催中の「ベトナム近代絵画展〜花と銃〜」に寄ってきました。
世界に誇る近現代アジア美術コレクションを持つ福岡アジア美術館ですけど、平日の夕方は来館者もまばら。展示が地味とはいえ、本当に面白い美術展に関心がないのはどうしたものか?九博よりもアジアな展示に行ってほしいですよ、みなさん。

で、
「ベトナム近代絵画展〜花と銃〜」
インドシナ半島のベトナム近代絵画。
1925年以降のインドシナ美術学校以降のフランス宗主国下のベトナム阮朝時代からフランスとの第1次独立戦争、米国との第2次ベトナム戦争までの、フランス宗主国下での近代化とその後の戦争状態を経て、統一後のドイモイ以前の停滞期までのおおよその流れがつかめます。

油彩画だけでなく、絹画とか漆画など独自の技法を用いた作品が数多くあり、近代のアジア美術の中で、近代日本絵画以外に、欧州の影響下で近代化の道筋を歩んだ地域として対比的にみるものとして、ベトナム近代絵画はおおよそ「美術史」の流れが読み取れる希有な地域という印象を受けました。また、日本における岩絵具による「膠画」とも言える日本画の対比としてベトナムでの漆画・絹画のあり方も本当に示唆に富みます。

ベトナム絵画の中心となる絹画・漆画の作品は本当に美しく、またプリミティブさと近代化での洗練さが良い具合にないまぜになった作品世界は、多様な近代アジア絵画の流れのひとつの潮流を教えてくれます。
そして、日本の美術なら「工芸」でカテゴライズされる分野が絵画としてファンアートとして捉えられる流れに思わずうなってしまいました。日本の美術にも元来「工芸」で漆の技法などこのようなジャンルがあったのに、近代化の中で美術になりそびれたわけで、その意味でも漆画や絹画のあり方は本当に学ぶべきところが大きいです。

おそらくこの展示が来館者が少ない要因には、「美術」としてベトナム近代絵画が認知されていないというか、ベトナムという認識がアートとして関心を持たないのか、作品が工芸的な色彩で捉えられているのではないかと思います。数日前の宇治山哲平の評価についても感じたのだけど、我が国で培われたアートの感覚では「近代絵画」と「工芸」の間には大きな区分けがあるのかなぁとも感じさせます。

また、戦後のホー=チミン率いる独立戦争時にも予想以上にプロパガンダ的な色彩はなく、ホー=チミン路線が左右問わず芸術に大きな影響を与えた統制型国家ではなく、アジア・中南米にみられた「大国に対抗する先述としての共産主義」であったことを確認させてくれます。本当にしなやかな表現が多い。でも第2次ベトナム戦争の中で次第に近代化(重武装化)していく様子、前近代的インドシナが次第に後景に退く様子も同時に展示されておりやはり学ぶところが大きくありました。

いずれにしても、近代日本美術に関心・興味ある人にとっては、このベトナム近代絵画展は図録ともどもいい展示でありいいサンプルだと思います。図録を買って郵送しようと思っていたら、アジ美の方にわざわざ封筒をいただいてしまいました。この場を借りてご厚意に感謝いたします(ノ´∀`*)テヘッ


さて、アジ美は近代アジア絵画のコレクションとネットワークをベースに、近代日本美術を相対化する「客の呼べない」展示を積極的にやってくれます。7月には福岡市美で「横山大観展」がありますが、アジ美版「日本の近代美術とアジア」をテーマに大々的なものをやってくれると面白いんじゃないかなと感じます。

というのも、福岡市はアジアの玄関口というキャッチフレーズがあって、現在東京都とオリンピック開催地でいろいろやっていますけど、アジ美の路線が今以上に広く定着していくには「アジアの中で九州とは何か?近代と近代以前に何が九州にあったのか?それを踏まえて九州を読み解きどう活動したらよいのか」を確認する作業を並立させながら近現代アジア美術コレクションを充実させていくのがいいのではないかなぁと感じました。
確かに福岡市が世界有数の近現代アジア美術コレクションを持っているのは誇るべき事業だと思う。でも同時に「なぜ、福岡なのか?なぜ、日本列島の九州島にある福岡なのか?」という位置づけがないと事業の中心部におそろしい「近代の空洞」が残りはしないか危惧します。
そうした危惧については、外縁部から次第に近代日本へ照準をしぼっていくスタンスがメッセージとして今後の展示に観ることができますので大丈夫な気がしますが、ぜひとも福岡市民は足を運んでこの「壮大な試み」に支援をお願いしたいところです。採算では語れない将来への投資ですから。


Shintentyo1とあれ、明日は上海。そしてパリからドイツのドルトムントへ‥‥
もし、福岡市が本当にオリンピックを誘致したかったら、ドイツのファンフェストのように、街でみんなが市庁舎前広場や天神駅の改札口?でビジョン観ながらパブリックビューイングしていろんな国々の人たちと騒げるような環境をつくったら間違いなく誘致できるだろう。
最初の一歩として、ソフトバンク絡みでいいから街中でホークス戦のパブリックビューイングネットワークをつくってごらん。アジアマンスな屋台広場とドッキングさせて‥‥。
屋台文化があるんだからできないことはないはず?スポーツを街中で誰彼なく観戦して騒げるような空気があれば、オリンピックは可能だと思うね 。お金とか市長のやり方とか言う前に、スポーツ観戦が街中に当たり前のようにある豊かな都市生活を再帰的に構築する方が先決と思う。

都市のセキュリティよりも、都市に多くのひとが集まる環境づくりに投資することがオリンピックへの近道だろう。できるかな?

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.blogcoara.jp/t/trackback/143624/6777286

【アジ美】ベトナム近代絵画展〜花と銃〜を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

Foxkeh! フォクすけ!


  • Firefox ブラウザ無料ダウンロード
Powered by Six Apart