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2006年6月15日 (木)

【大分・芸館】宇治山哲平回顧展に行く

Art01 仕事で大分県立芸術会館に寄ったので、かねてから観たかった宇治山哲平回顧展を観た。
日田出身の画家宇治山哲平は、独特の抽象絵画を創造した全国区の作家活動以外にも後半生に大分県立芸術短期大学の学長をするなど美術教育にも深く関与したにも関わらず、意外にも大分県内の評価は知るひとは知っているが一般の認知度は高くない。
実のところ、お仕事で観る機会があったのだけど、「宙」や「万華」は本当に本当にステキだった。でも一般の受けは良くなくて日田市にあった宇治山哲平美術館も入館者が少なくあっさり休館してしまったくらい。
日田市って筑紫哲也氏を輩出した割には、隣があの洋画家を大量に輩出した筑後なのに、どうもアートに関心がないなぁ。。。

作品は抽象絵画が主流なのだが、気持ち良いくらいに美しい。そして、工芸出身だけに抽象的図像なのにテクステュアは肌触りを感じるくらい具象的?な作品。図版よりも生を干渉すると本当に素敵でワクワク感があって、抽象と具象がいい具合に混淆するステキな作品なんである。宇治山が大分に活動の拠点を移したことと、この抽象作品の工芸的なテクスチュアが写真図版ではなかなか実感できないためのようなのだが、宇治山作品を真っ正面から再評価してすくい上げる動きは大分県外ではあんまりなくていつしか「知られざる画家」のかたちになってしまっている。

今回、詳細な年譜が展示していたおかげで宇治山についておおよその流れをつかめた。戦前は工芸学校出身から版画作品でスタートし、戦後はいち早く福岡で朱貌社を結成し抽象的な油彩を多く発表した作家。国画会の中心的存在として香月泰男と双璧を成した画家だそうなのだけど、本当に観る機会は少ない。芸館で以前あった回顧展以外図録もなく、私自身単独の展示は観たことがなかったので本当にこの機会を楽しみにしていました。

その前に、宇治山哲平回顧展は今年の2月に東京都庭園美術館で独自の企画として開催された。「哲平が来た」なんて哲平呼ばわりなコピーをつけて首都圏で30年ぶりの大規模な展示会らしい。図録もあるのでぜひとも入手したいと思う。アールデコで有名な旧朝香宮邸での宇治山の抽象画。デザインとデザインがいい出会いをしただろうと思う。
てな具合にちょっとした再評価の気運もある宇治山哲平なのだけど、大分県では巡回されたわけでもなく、出光美術館の仙崖展と合わせて所蔵品を中心に再構成したに留まっている。もちろん図録もなくて東京都庭園美術館での展示図録の販売もなかった(´・ω・`)ショボーン 。

そんな悪い環境にも関わらず、芸館所蔵の宇治山作品をベースにでき得る限りの予算と展示会場で展開された宇治山ワールドが展示会場に充ち満ちていた。
ワンウォールを占拠する横長の巨大作品「弾む」は本当に圧倒された!静でもあり静でもなく、動でもあり動でもない独特のスケール感が長大なスペースに破綻なく構えられては鳥肌モノでどうしようもありません。遠くからは抽象的なデザイン的な図像が並ぶ姿を楽しみ、近づいてはそのテクスチュアの暖かさと厳しさを感じる。
本当にワクワクして本当に美しく、本当にいい作品なのをこの目で確認できたことがこの日の収穫。
本当に観る機会が限られている宇治山作品のスケールを体感できたのは本当にヨカッタ。

それにしても、いくら予算がないからって東京での取り組みようと対称的であまりに残念でならなかった。もっと手間と予算があれば東京と巡回展もできただろうに千載一遇のチャンスを見過ごさねばならないのは本当に残念でならない。

大分県は東京銀座にアンテナショップを出したが、そりゃ名産品やキャノンやダイハツも大事だろうけど、東京都庭園美術館でも採り上げられた大分県出身の全国区的作家の回顧展にもっと予算を回すべきだわ。ブランド戦略としてもイメージ戦略としても本当に大事だよ。宇治山展が東京都庭園美術館であったならそこでレセプションして、豊州大分県の豊かさな土壌をアピールしてこそ、広瀬淡窓の血統を引いたサラブレッドのすべき仕事だと思う。

とあれ、工業都市として成長した大分市にはキムラヤ画廊などを軸とした独特のアートシーンがあるのに、地道な努力をアートイベントとしてすくい上げる視点がトップにないのは本当に惜しいことだ。
何とか東京都庭園美術館宇治山哲平回顧展の図録を手に入れたい。

追伸:さっそく問い合わせてみたところ、なぜか売り切れとのこと。。。信じられないo(´^`)o 
2万人近く来場者があって、邪推してたけど県人会が押し寄せてというわけでもないらしいから、おそるべし首都圏‥‥orz


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